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企業のリスクは「自然災害」が2年連続でトップ、人材不足が順位上げる

 監査法人のトーマツが実施した「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」(2017年版)によると、企業が国内で優先対応すべきと考えているリスクは2年連続で「自然災害」が最も多く挙がった。

 企業に対して国内で対応を優先すべきリスクを聞いたところ、「地震・風水害等、災害の発生」(35.9%)が最多となった。次いで、「法令順守違反」(29.3%)、「人材流失、人材獲得の困難による人材不足」(23.6%)が続いた。

 前回調査で3位だった「情報漏えい」は4位に順位を下げた。

 一方、「過労死、長時間労働等労務問題の発生」は昨今の働き方改革を背景に前回調査の10位から7位へと順位を上げた。

【日本国内で対応を優先すべきリスク トップ10】
1位 地震・風水害等、災害の発生 35.9%
2位 法令順守違反 29.3%
3位 人材流失、人材獲得の困難による人材不足 23.6%
4位 情報漏えい 21.6%
5位 製品/サービスの品質チェック体制の不備 18.7%
6位 サイバー攻撃・ウイルス感染 17.0%
7位 過労死、長時間労働等労務問題の発生 16.1%
8位 市場における価格競争 12.8%
9位 大規模システムダウン・情報逸出 8.6%
10位 法改正や業界基準変更時の対応の遅れ 7.9%

 海外拠点については、「子会社に対するガバナンス不全」が22.9%と最も多かった。前回調査でも注目が高まっており5位となっていたが、企業がその優先度を高めている状況が明らかとなった。

【海外拠点で対応を優先すべきリスク トップ10】
1位 子会社に対するガバナンス不全 22.9%
2位 法令順守違反 21.0%
3位 製品/サービスの品質チェック体制の不備 18.8%
4位 人材流失、人材獲得の困難による人材不足 18.1%
5位 役員・従業員の不正・贈収賄等 17.3%
6位 地震・風水害等、災害の発生 14.8%
7位 為替変動 12.2%
7位 東南・南アジアにおけるテロ等 12.2%
9位 情報漏えい 11.4%
10位 法改正や業界基準変更時の対応の遅れ 10.3%

 トーマツによると「特筆すべきは、“人材流失、人材獲得の困難による人材不足”が日本国内3位(2016年は6位)、海外拠点4位(2016年は7位)となり、ともに前回より大きく順位を上げていること」としており、「人材流動性の高まりを受けて、多くの日本企業が対応を急務としている意識が読み取れる」と指摘した。

 国内本社におけるリスクマネジメントプランの策定状況は、「策定している」60.6%、「一部策定している」28.9%を合わせて9割近い高水準となった。国内子会社でも「策定している」39.4%、「一部策定している」 32.9%を合わせて7割以上の企業がリスクマネジメントプランを策定していた。

 一方、海外子会社統括拠点は「策定している」31.4%、「一部策定している」26.5%と6割弱、海外子会社も「策定している」25.8%、「一部策定している」31.4%と6割弱程度になり、日本国内に比べ策定途上であった。

 過去にクライシスが経験あるとした229 社を対象に、クライシス発生時の対処の成功要因を3つまでの選択形式で聞いたところ、最も多かったのは「トップのリーダーシップ、トップダウンでの迅速な意思決定がなされた」(52.0%)、次いで「初動で潜在的影響を過小評価せず、迅速に必要な資源を投入した」(35.8%)だった。

 一方、過去にクライシスを経験していない225社へ対処の成功要因と想定される要素を聞いたところ、最も多くの支持を集めたのは「クライシス発生に備えた事前の準備ができていること」(58.0%)で、経験企業で割合の高い結果となった「トップのリーダーシップ、トップダウンでの迅速な意思決定がなされること」は47.3%の4位にとどまった。

 調査は、2017年8月~9月、日本の上場企業を対象に実施し、454社から回答を得た。(調査における「リスクマネジメントプラン」とは、リスクが起こらないよう、もしくはその影響の範囲を最小限にとどめるよう予め備えるため、体制を整え、対策を立てておく計画を指す)

掲載元:日本人材ニュース